ニギリに使われる新鮮な魚「赤身」「白身」のネタ
赤身の魚といえば代表的なマグロ・カツオ・ブリ等があり、また白身
では真鯛、鮃(ヒラメ)、メバル等があげられます。
それに中間のアジや鯖(サバ)などの青魚、そして鮭のオレンジ身も
あり「魚身色」は多種多様です!
深海魚は今回は仲間に入れてないですが!
なぜ「赤身の魚」また「白身の魚」の違いが起こるのでしょうか?
海の中で一緒に生活していて、同じ環境なのに「同じ身色」でも良い
のではと頭に浮かびますが?
なぜ?
起こる要因としては、エサの違い、居住深さ、泳ぐ速さ、1日で泳ぐ距
離等が関係あるのでしょうか?
ちょっと興味がわくので、色々と紹介してみたいと思います。
1.赤身と白身の違い対しての要因の比較
1)
赤身(マグロ) | 白身(真鯛) | |
餌(エサ) | エビ (ブラックタイガー) スルメイカイカ アジ カタクチイワシ |
エビ幼生 カニ幼生 イカ ウニ・ヒトデ ワレカラ類 ウミグモ類 |
生息する深さ | 100m~400m | 水深30~200mの岩礁域 や砂泥底周辺 |
泳ぐ速さ | 80~90km/h | 約4km/h潮の流れと同じ 瞬間の速さがある |
1日で泳ぐ距離 | 137km | ー |
魚の生態については、身の色には赤身と白身などがありますが、なぜ
色の違いが出るのでしょうか?
赤身の魚の泳ぐ能力は、どのような特徴があると思いますか?
白身の魚に比べ、赤身の魚は持続的に泳ぐことができます。
ではなぜに魚の身は赤かったり、白かったりするのでしょうか?
魚それぞれの生態が関係しているように思えます。
2. 水産物の利用や加工に関する研究について
引用元:WeB特集 NHK 魚の赤身と白身の違い
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211201/k10013369481000.html
水産物の利用や加工に関する研究を行っている東京海洋大学の岡崎恵
美子さんとの話の内容を以下に記載しました。
1)魚の筋肉の中に含まれている赤っぽい色は、ミオグロビンという名
前の色素です。
ミオグロビンの多い魚が、赤身魚、少ないものが白身魚です。
魚はエラ呼吸して、水の中から酸素を取り込みます。
その酸素を蓄える役割ををするのがミオグロビンです。
マグロは広い海を高速でずっと、泳ぎ続けているので、酸素の消費量
がとても多い。
筋肉の色が、とても赤いのは、ミオグロビンがたくさん入っているか
らです。
白身の魚は底のほうで普段はじっとしているけれど、敵が来たりエサ
を取ったりするときに瞬間的にパッと動いて運動します。
そんなときに使うのが普通肉の部分、白い身の部分と言われています。
2)赤身と白身を分ける境界線
赤身はマグロやカツオなどの回遊魚などがあります。
白身は鯛やヒラメなどがありますが、果たして赤身と白身を分ける境
界線は有るのでしょうか?
2. ミオグロビンの含有量
(普通肉100gあたり ヘモグロビンを含む)
490~590㎎ | ホンマグロ(本鮪) |
139~173㎎ | カツオ(鰹) |
10~14㎎ | サバ(鯖) |
6㎎ | マダイ(真鯛) |
0~1㎎ | ヒラメ(鮃) |
「お肉100グラムに対してミオグロビンの量が10㎎より下だと、筋肉
の色が白っぽく見えます。
それよりも多くなると赤っぽく見えるので、その辺が分ける目安にな
ります」
3. オレンジっぽい身のサケはどちらなのでしょう?
「サケはちょっとかわいそうだけれど、赤身魚には入れてもらえません。
サケにはミオグロビンはほとんど入っていないです。
含まれている色素が全く違うもので、アスタキサンチンという脂に溶
ける色素で、エビとかカニに含まれているのと同じタイプのもので
す」
このような身の色になるのは、サケが好むエサに含まれるアスタキサ
ンチンという色素が蓄積するからだそうです。
ということで、サケは赤身魚ではなく白身魚に分類されます。
4. 赤身魚と白身魚の違い
1)赤身魚と白身魚は、味にも違いはあるのでしょうか?
「これははっきりあると思います。
エキス成分と言って、味に関係する成分が赤身魚の場合には白身魚よ
りも比較的多く含まれます。
特に、ヒスチジンというアミノ酸がたくさん入っています。
これが赤身魚のコクというか、味の強さに関係していると考えられて
います」
さらに、赤身魚は白身魚に比べて脂肪が多いので、味が濃く感じられ
ると言います。
しかし、うまみ成分が多い赤身魚には、調理の際に注意しなければな
らない点があるそうです。
「赤身魚は鮮度の落ち方がとても速いものが多いです。
『腐っても鯛(タイ)』、『鯖(サバ)の生き腐れ』のようなことば
があるが、これは本当に白身魚と赤身魚の違いを典型的に表している
ことばかなと思う。
腐ったら食べられないけれど、タイは非常に長く置いても腐りにくい
というのはあります」
白身魚はイノシン酸という、うまみ成分の生成がゆっくりしていて蓄
積している時間も長いので、おいしい味が長持ちする傾向にあるそう
です。
「『鯖の生き腐れ』についてはエキス成分の中でも特にヒスチジンと
いうアミノ酸がたくさん入っているが、これが細菌の作用でヒスタミ
ンという物質に変わってしまう。
腐敗したり傷んだりした時にこのヒスタミンが出てくると、いわゆる
ヒスタミン中毒ということでアレルギー症状を呈したりする。
鮮度をきちっと管理して、鮮度を落とさないようにすることが大事です」
5.おいしく食べるために大事なこと
1)魚を買ってから家に持ち帰るまでの10分、20分が大事なのだと岡
崎さんは教えてくれました。
2)「魚は漁獲されてからスーパーに届くまで、本当に温度管理はしっ
かりしています。
それで低温で販売されるが消費者が買ってから家庭で食卓に並ぶまで
が結構ずさん。
温度管理をきちっとしていただくと、よりおいしく食べられると思い
ます」
おいしさの基準には食感もありますよね。
白身は刺身にするとコリっとしていて、その食感が好きだという人も
いると思います。
瞬発的に動く白身魚は筋肉が強いからあの食感が生まれるそうです。
ちなみに、岡崎さんの得意な魚料理はシメサバだということです。
6. まとめ
1)ミオグラビンの含有量で赤身、白身が決まります!
本マグロで490~590㎎(赤身100グラムに対し)と高く、真鯛では
6㎎と低い含有量です。
ミオグロビンの多い魚が赤身魚、少ないものが白身魚です。
魚はエラ呼吸して、水の中から酸素を取り込み、その酸素を蓄える役
割ををするのがミオグロビンです。
マグロは早い速度(80~90km/h)で泳いでいるので酸素消費量が大
きいです。
筋肉の色が、とても赤いのは、ミオグロビンがたくさん入っているか
らです。
赤身魚にはエキス成分のヒスチジンというアミノ酸が白身魚より多く
入っています。
これが赤身魚特有のコクで、味の強さに関係していると言われています。
赤身魚は鮮度の落ち方がとても速いので、購入しての持ち帰りに氷で
包んで冷やして持ち帰ることが必要です。
2)白身魚は「腐ってもタイ」という言葉があり、鮮度の落ちが遅くて
腐りにくいと言われています。
白身魚はイノシン酸という、うまみ成分の生成がゆっくりしていて蓄
積している時間も長いので、おいしい味が長持ちする傾向にあるそう
です。
白身は刺身にするとコリっとしていて、固めの食感が好きだという人
も多いと思います。
瞬発的に動く白身魚は筋肉が強いからあの食感が生まれるみたいです。
3)魚の「赤身」と「白身」の生成は、「生態」海の中で生活している
ありさまで違ってくることがわかりました。
4)魚肉中のミオグロビンの含有量の差で「赤身」「白身」が生成する
ことがわかりました。
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