みどり摘みは、春から初夏(4月~6月)にかけて行なう松の管理作
業の一つであリます。
松のみどり摘みとは、松の新芽が5~6本立ち上がってくるのをかき取
り、自然なしまった樹形に維持するための作業です。
松の新芽のことを「みどり(ミドリ)」と言います。
地域によって、みどり摘みの時期は異なりますが、時期が遅くなれば
なるほど新芽が固くなってしまって摘むのが大変となるので、容易に
手で摘み取れるくらいの柔らかいうちに剪定するするのが良いですね。
1. 摘み取る芽と摘み取らない芽の判別
1)松の先端を見てみると葉の出ていない新芽が伸びています。
このまま放っておくと樹形が乱れてきますので、新芽のうちに芽を摘
み取ります。
松は場所によって、新芽が1本から多いところで6〜7本出てきますので
センターの勢いの良いみどりを摘み取り、左右にバランス良く伸びる
小さめの芽を1本ずつ(V字)残す剪定方法がいいです。
摘み取る芽、または残す芽は、芽の伸びる方向と全体の樹形をみて決
めています。
2. ちょっと みちくさ!
松の最初の不思議は、春になると成長する新芽のミドリです。
植物は春になると、たくさんの新芽が伸びて活気づいてきます!
伸びてきてどう変化していくのかな?
↓新芽摘み専用バサミ
1)ミドリは根元が緑色で真上に伸びた凛とした外観です。
外観は棒状で白と茶の針状のものがいっぱい付着しています。
白と茶の針状のものは何に成長するのでしょうか?
数多くあるから、多数の細長い緑の松葉になるのかな?
それから10cmのミドリを縦に半開してみると空間はなくミドリ色の
細胞でビッシリ、詰まっています。
そして、半透明の粘着性の液体がドロッと1mlぐらい出てきました。
臭いは松脂(マツヤニ)の香りがします。
新芽の中身は松脂液で潤っていて、油ゆえツヤツヤ(ミドリミドリ)
して見えるのでしょうか?
「ミドリの中に油分(松ヤニ)があるとは」ちょっと驚きでビックリ
です。
凡人は思います、 松ヤニは幹の表皮内にあるのでは?
松ヤニは地下の根から始まり、そして幹から枝の末端まで行き渡り全
身を活気づけているように思われます。
2)ミドリは長い物で10cm 短いもので5cm位を切り取っています。
このミドリが新枝になるのだから、形がガラリと変わり不思議な感じ
です。
3) 新芽・ミドリは放置していたら長く伸びていき、駄作なります。
ミドリを2~3年間、手をつけず放置すると直径は2cmぐらいに太くな
り長さも約30cm位に伸びてきます。
従って毎年剪定・処理しないといけませんね!
4) 松にはわからないことや不思議なことがたくさん出てきます。
松ヤニの白い液体はどこで、どのようにしてできるのだろうか?
根から除々に生成されるのか、それとも幹の内部・表皮でできるのか?
松だけに見られる新芽・ミドリは独特な形成で植物の生命力の凄さを
感じます。
今日は5月4日 「ミドリの日」松に乾杯です!!
3. ミドリ 剪定要領
1)ミドリ摘みは上画像の真ん中の勢いのよいミドリを元から除去
(つぶす)、枝全体(島)の状況をみて亀の甲羅状を意識して
長さを調整します。
ミドリ部の葉の無い部分を切ると枯れるので、葉のあるところで切り
ます。
もしくは元切りします。
左右をV字で残し滑らかな曲線になるようにカットします。
ミドリが5~6個の団子状になっているところの団子はつぶし、左右の
V字にして残します。
ミドリ摘み取り後
4. まとめ
1)ミドリは、4月の初旬頃から天に立ち上がって、伸びていきます。
長いのは1ヶ月で20cmぐらい成長します。
このミドリが小枝に変化していきますので、毎年定期の剪定で摘んで
良い形を維持しないといけません。
枝元からのスタイルは亀の甲羅型がセオリーでいいと思います。
上段のトップは陽がよく入りやすいよう、松葉をうすくした方が良く
、下に行くほど松葉を多く濃くしたほうが見栄えが良くなります。
2)芽摘み専用バサミを使用すると狭いところまで刃がはいるので
カットしやすく、きれいに仕上がります。
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